CFA資格取得を目指した理由「業務上、より包括的な知識が求められた」
新卒で入社した外資系証券会社で3年目に配属されたのが日本の銀行や生命保険会社、法人等が海外に保有している不良債権の買取りを担当する部署で、海外の不動産、REIT、銀行ローン、LP、ファンド等を扱っており、買取り資産の価格形成方法、米国の会計制度や法律等を顧客に説明する必要が生じました。日本証券アナリスト協会の検定会員でしたが、業務上、より包括的な知識が求められ、さらに勉強する必要性を感じ、CFAと米国公認会計士(AICPA)の勉強を始めました。
CFA資格取得後、「グローバルで通じる資格を保有するメリットを実感」
CFAを取得したのは転職先の銀行でクレジット債の運用業務に携わっている時でした。発行体やセルサイドのアナリストの方々との数多のミーティングの機会があったのですが、資格の所有を伝えると相手の見る眼や対応が変わったように感じられ、機関投資家としての会社の評価も高まった気がして、グローバルで通じる資格を保有するメリットを実感いたしました。現在の金融翻訳者の仕事でも、CFA資格は語学と金融のスペシャリストという2つの武器をアピールできておおいに役立っております。
CFA協会で翻訳ボランティア活動に参加
協会では翻訳ボランティア活動をしています。主に投資運用、年金、ガバナンス、ブロックチェーンといったトピックスを協会のHPに定期的に日本語で投稿するブログ翻訳と、CFA Magazine等で取り上げられたレポートの翻訳と校正を担当する不定期活動で構成されており、発足当初より参加しています。
翻訳ボランティア活動の意義「金融リテラシーを向上」
翻訳依頼の大半は最新のトピックスで、それを最初に読むことができるのはボランティアの役得で、自分の専門分野以外のことも学べて非常に有意義です。一方で、読みにくく何が言いたいのかよくわからない文章の翻訳依頼もあります。金融業界内でしか通じない難解な言葉が氾濫し多用されていることに驚かされますが、そうした文章をわかりやすい日本語へ変換することを心がけています。機械翻訳ではこの分野はまだ不十分で翻訳者のスキルが必要です。活動を通じて、難解な金融の世界のことをわかりやすく伝えるスキルが身につき、金融リテラシーの向上にも繋がっていることを実感できます。こうした点からも金融のグローバル・スタンダードを標榜するCFAが果たすべき役割は重要だと考えるようになりました。英語と金融の知識を併せ持つCFAの有資格者は日本人の金融リテラシーの向上を促進する役割を担えるのではないでしょうか。
CFAの魅力「人生を豊かに」
CFAの認知度の高さから、仕事において国内外のさまざまな方々から高い信頼を寄せていただけるようになったという点が最大のメリットです。協会主催のセミナーやリサーチチャレンジのようなイベントに関わり専門家や若い世代の学生と触れ合えるのも自己啓発におおいに役立ちます。さらにボランティアという立場を通じて意識の高いプロフェッショナルな方々と交流することは仕事とはまた違う喜びであり、人生を豊かにしてくれるでしょう。
● 翻訳グループとは
CFA Instituteの英文ブログやイベント時の英文を翻訳。
メール配信のほか年3回発行のニュースレターにも掲載される。
● リサーチチャレンジとは
大学生・大学院生の株式評価のコンテストで日本予選、APAC予選、世界大会と続く。
すべて英語で行われ、2018 年国内予選には有力大学から19チームが参加、立命館アジア太平洋大学チームが優勝。多くのボランティアが 関わる大型イベント。